This Autumn Fashion: My Schedule

 

 熟した果実のように中天で絶頂をむかえた夏の王位が急激に衰退し、このまま過ぎ去ってゆくのだとばかり思っていたこの季節なのに、灼熱の夏の王が突如振り返り口から吹きだしたような熱気に覆われた日がつづいて、夏がふたたび王位のなかに還ってゆくのを皮膚で感じながら、わたしは秋のことを考えています。

 

 秋には美しい友人たちとお逢いする予定がたくさんあるので、そのことに想いを馳せるだけでも心臓が踊るようで、あの場所にはあれを纏ってあの装身具を、などと頭をめぐらせるのは楽しいことです。

 

 秋のわたしのお気に入りになりそうなお洋服はダブルチャカのデザートワンピース(ダークチェリー)で、お靴はmayla classicのオーレンリーディー。それにR in my headさんの菫コサージュのつけ襟とnichinichiさんのヴィンテージガラスの指輪を重ねづけして遊びたい、などと夢はつきることがないようです。

 

 

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 秋のわたしのテーマは菫色。
 
 秋に菫なんて、笑われてしまうかもしれないけれど、でも、そうなのです。
 
 午前四時の空の色、瑞々しい葡萄の皮の色、パープルクィーンの尾ひれの色、アメジストの光彩の色、完全なる愛というカクテルの色。そのどれもが、あの読み解くことのできないヴァイオレットの花の色とは異なり、そのどれもがあの花の神秘に似ている。
 
 まるでひとつの夢みたいに、薄絹を纏ったような光沢のモーヴ。

 

 菫色を纏い、その色の靴を履けば、どこかにあるかもしれない紫の苑までわたしを連れていってくれるかもしれない。そんな気持ちにさえなるのです。月さえも菫の色をしている、うつくしい楽園へ。
 


 楽園とはいかなくとも、美しい靴はうつくしい場所へわたしをいざなってくれる。近ごろはそんなふうに思うようになりました。だから心から愛せるお靴だけを履いてゆきたいと。実はわたし、ヒールの靴に憧れながら足もとが弱くて挑戦することすらゆるされない身分なので、お靴はいかに心地よいかを優先していました。けれども最近感じることは、靴によって感じる窮屈さも不安定さも、あるいはときに痛みですらも、「美しくなりたい」という意志のもとで生まれるのならば、素晴らしい靴を履き、それを自分のものとしてしまった女性こそが、「美しいひと」なのではないかと、そんな女のひとにこそ、紫の苑は扉をあけるのかもしれないと、そういうことを考えるのです。
 
 菫色は神秘の色。読み解くことのできない花。そんな花の一輪になることができたなら。そう祈りながら、秋は菫色を纏います。紫の苑の扉をあけることを夢みながら。