乙女

星降る夜のクリスマス/点滴堂

点滴堂さんで「星」と名のつく展示のたびに、近ごろではタイムトラベルマドレーヌさんのタイムトラベル郵便が開催されています。 これはまず、自分に幸運をあたえてくれる星座や星雲のおみくじをひき、自分自身にお手紙を書いて点滴堂さんのご店主さんにお渡…

アリスのティーパーティー part.2/点滴堂

点滴堂さんのアリスのティーパーティー。 part.1にひきつづきpart.2の今回は、スコーンとサンドイッチ、そして希望をいっぱいに詰めこんだバスケットのなかみたいに、つくりてのかたたちが《アリス》という観念にこめた美しい幻みたいに儚くしかし強靭な夢…

乙女の庭と女の荒野

「愛の庭の乙女、その優美で豊潤で繊細な庭は、あなたと親しみをかわす者にとって心安らぐ場所です。悲しみや苦しみに沈むとき、顔をあげて、これまで築いた美しい庭を見渡してみてください。丁寧に培った植物たち、光の洪水。乙女の愛は、その庭がみせるあ…

神さまのいない月の朔

ふと今年もすでに十月が巡っているのだという事実に気づきました。神さまのいない月です。去年のいまごろはこの神無月の朔日――新月の晩に、神とおなじようにお空に不在の月へと祈りを捧げるように、わたし自身に願うように眠りに就いたことを覚えています。…

乙女の散策/Silent Music

東中野の駅からすこし歩いた場所にある曲がり角を右折して坂道をおりたさきに、その入り口はあります。Silent Music——マリアさまのお庭。聖母が微笑みながら見おろす美しい庭をとおり、扉をあけたさきにある空間には、やさしい旋律がひろがっている。それは…

アノンハットの乙女帽子店/SERAPHIM

キバナコスモスが咲いていた。 宙で曲線を描きながら火花のように散りばめられたその花を、国立の駅の南口からでてすぐの場所に見つけたとき、黄色く色づいたそのちいさな花火がなぜだかわたしたちを待っていてくれていたような気がした。コスモスは秋の桜と…

乙女とギタリストの刹那の虹

(その瞳に覆われた繊細なレースで世界との関係を遮断しようとする)乙女、(その指で雪片のように儚い音色を奏でて言葉にする)ギタリスト。(ヴァニラの溜息をこぼす)甘い彼女の花の唇、(燻らせた紫煙を吹きかける)灰の吐息で侵食する彼の口。彼女の白…

乙女の散策/安楽

距離に隔てられているがために、容易にお逢いすることの叶わない銀木犀のあの子が新幹線で遊びにきてくれたのをいいことに、あちらにこちらにと引っ張りまわしたわたしにむかって、そのたびに銀木犀はおのれのバイブルとしている大好きな嶽本野ばらさんのお…

乙女の散策/十誡

わたしたちはその光線で白い槍みたいに全身を突き刺す太陽に灼かれながら、都会という砂漠のなかを歩いていた。いくつも立ちならぶビルは、群生した巨大なお墓のようだった。それが誰を弔うものなのかも知らず、わたしたちはエメラルドの水の庭園から不意に…

乙女の散策/草舟あんとす号、Atelier conafe、コトリ花店

小川の駅から徒歩で十分ほどの場所にある《塔》には三人の魔女さんが棲んでいます。植物の本屋さんである草舟あんとす号ではタロットのセッションやフラワーレメディの調合をしてくださり、Atelier conafeでは口にすると頬がおちてしまいそうなおいしいお菓…

乙女ミステリ

金木犀が郷愁をさそい、その香りが遺伝子に組みこまれた記憶、存在していない過去をたちのぼらせるとき、秋が巡ってくる。 秋は毎年、推理小説と宮沢賢治を読むと決めています。 ミステリは嗜好品。煙草やお菓子やアルコールとおなじ。読み終えたらゼロへと…

銀木犀の刹那の切なさ

わたしの銀木犀の乙女がお慕いし憧れているかたに、妖さんというイラストレーターをされていらっしゃるひとがいます。銀木犀が折に触れてそのかたが紡がれる世界のお話をしてくれ、それがまたとても興味深いので、わたしもついに彼のかたの作品をお迎えして…

《sleeping》――乙女の眠り

先日訪った草舟あんとす号さんで開催されたyukaneさんの個展、『繭の森・1」でお迎えした絵画がわたしのもとにやってきてくれました。包装をひらくとまるで繭の森からの贈り物のようにちいさなお花が出現して、その花を掌のひらに置きながら、わたしはしば…

命短し恋せよ乙女/弥生美術館

もうかれこれふた月近くまえのことになってしまうのですが、弥生美術館で開催されている「命短し恋せよ乙女」展へ足を運んできたのです。 おそらく心に少女や乙女を心に飼っている者にとって、あの美術館へと訪うのはひどく楽しく美しい時間なのではないでし…